…翌日私は目が覚めた。時計を見ると、もう昼を回っていた。
“今日の夜、空と一緒に花火大会に行ける…”
そう思えば思う程、私の心は卯のように跳ねた。
────────。
それから長い長い昼を過ごし、やっと夜が来た。
私は何を着て行ったらよいのか分からず、
“とりあえず花火大会は山であるから…Tシャツにジーパンかな?”
など考えながら、急いで支度をした…髪型はポニーテールが無難だろう。
今日もあの木の下で待ち合わせをする。
一人待っている私の前に一台の車が止まった。
空:「僕の運転、危なっかしいけど、どうぞ乗ってください」
私は少し戸惑いながら空の車に乗り、花火大会の会場に向かった。
桜:『昨日のあの告白…本気なのだろうか…空はいつもと変わらない…いつもと変わらない美しい瞳…』
会場に着くと沢山の人達で賑わっていた。…大半がカップルだ。可愛いらしく整えた髪、浴衣…化粧…。
桜:「あの…浴衣着て来なくて…すみません」
空は少しびっくりした後、にっこりと笑って
空:「ど〜うして山に来るのにわざわざ浴衣着て来るんでしょうね〜、ジーパンでいいのに(笑)」
そう私に言うと空は“僕、絶景ポイント知ってるんです!”などと可愛いらしくハシャギ、私の手をとり案内した。
着いた場所は草や花でおい茂った場所だったが、とても良い眺めの場所だった。
ヒュゥ〜〜〜ドーン!!…パラパラパラ…
ヒュゥ〜〜〜ドンッ!ドンッ!!……………
突然目の前がとても明るく光った。赤…青…黄色…
桜:「…綺麗…」
私は“空”に咲くいくつもの光の花を見つめた。
…ギュッ
──────!!!
私の手に何かが触れた……空の大きな手…。
空:「神崎さん…昨日の僕の告白の返事…考えてくれましたか?…聞かせてください…。」
空の大きな手は、小さく、小刻に震えていた…。