(今日は楽しかったなぁ〜……また今度遊びに行こうっと!)
浮かれ気分で少しスキップ風に歩いていた私は、ちょうど家に続く道を曲がるところだった。角を曲がると直ぐに私の家が見える。もちろん隣はお兄ちゃんの家だ。別に気にする事も無いいつもの光景。しかし、お兄ちゃんの前の玄関で誰かが立っていた。
…女の人だ。
玄関の鉄柵に小さな体を寄りかかせて、頭を地面の方にうつ向かせている。遠くから見ても分かる長く綺麗な黒髪が、顔を隠していた。私は 誰だろうと思う前に、少し間みとれてしまった。顔を見えなくても何か芸能人オーラみたいなのが体の周りから出て来てるように見えたのだ。
私はかすかな不安を覚えた。