――そして、放課後。
私はいつものように仲間と部活へ行った。
『今日男子に転入生の子来るんだって?』
先輩たちもどんな人か興味津々のよう。
『ファイト〜!!ナイシュ〜!!』
私は、どんなに疲れてても、バスケをする時が一番好き。いろんな疲れを一度で吹き飛ばしてくれる。
『休憩〜!!』
マネージャーが用意してくれたお茶を手に、ふと男バスのほぅを見てみた。
ふと、誰かの視線に気がつき、そっちのほうを見てみる。
――あいつだった。
(見とけよ)
目がそんな風に言ったような気がした。
突然ボールを持った中山は、?Pointラインから遥かに遠いところから綺麗なフォームでシュートを打った。
『キレィ。。。』
(いけなぃっっ!!なんであいつなんかに見とれてるんだろうιι)
ズバッ!!
綺麗な音を立ててボールがゴールに入った。まるで、導かれたように。
中山は、にッと奈津美に笑うと、そのまま練習に戻っていった。
それからだった。奈津美が中山を自然に目で追うようになるのは…。
もちろん中山も、奈津美の姿を目で追っていた。