空:「…あっ…!すっ…すみません!…なんて事を…桜が居なくなって凄く心配したんです…本当に…凄く…失いたくないと思った…気付いたらこんな……本当にすみません!」
それから空は何度も私に謝った。
しばらくして私達は山を下り、停めてあった車に乗り車を発車させる…
空:「……………」
桜:「……………」
しばらく私達の間に沈黙が続いた。
空:「…あの…桜…怒ってますよね…本当にすみません…」
桜:「…え?…あっ…いえ…大丈夫です…恐かったけど…そんなに嫌だったかなぁって…」
空:「……すみません…」
桜:「……………」
空:「あっ…そ…そういえば桜って歌が凄く上手なんですね…驚きました。あれぐらい上手なら歌手になれるのに」
桜:「歌手…親に反対されてるから…」
私は半投げやりに言葉を吐き捨てた。
空:「そんなの今からでも遅くないです!…命がある限り一生懸命がんばるべきです!桜は歌手になりたいんでしょ?」
私はふっと困った顔で笑った。
空:「…桜、今度僕に歌を聞かせてくださいね」
桜:「……いいですよ」
────────。
空の家に着くと車を停め、天気が良いから散歩でもしようという話しになり私達は歩き出した…。
桜:「ねぇ空?…会えない日も連絡とりたいな…携帯の番号教えて?」
空:「…携帯?携帯なんか持ってないですよ。僕、直接会って話すのが好きなんです」
桜:「…うん…なんか、空らしい(笑)」
こんな会話をしながら、私達は散歩を楽しんでいた……。
歩いていると突然、空が止まった…
桜:「ん?…空?…どうしたの?」
空の顔がみるみる青ざめていく…心臓辺りをギュッと握ってとても苦しそう…。
空:「…だい…じょう…ぶ……ただの発作…です…すっ…すぐ……治まり…ます…から……」
桜:「大丈夫じゃないよ!いっ…今、救急車呼ぶからね!」
その後、連絡を受けて到着した救急車で空は病院に運ばれた……。