病院に運ばれ治療を受けた空は穏やかに眠っている。
けれど私は医者から衝撃的な事実を知らされる事となった…
医者:「神崎さん…落ち着いて聞いてください…斎藤さんの寿命は…あと2年なんです…」
桜:「えっ?…2年って………」
私は言葉を失った…
しばらくして私が病室に戻ると空が目を覚ましていた。
桜:「あ…目が覚めた?具合はどう?…平気?」
空:「は…い…迷惑を…かけました」
桜:「迷惑だなんて思ってないよ?…早く良くなってね」
空:「………桜?」
空が私の異変に気付いて言った。
空:「……もしかして…僕の…寿命の事…聞いたん…ですか?」
桜:「………うん」
空:「やはり……桜…?こんな僕とは…付き合いたくないですか?」
空の目からは涙が溢れていた…私は空の涙を手の平で拭うと私は空にそっと口づけをした…
桜:「心配しないで空…私の気持ちは変わらないから」
空:「桜…ありがとう…ございます…」
それから私は空が退院出来るまで、仕事の間を縫っては空のお見舞いに行った。
桜:「空!!」
空:「…あっ…!桜さん…あまりビックリさせないでくださいよ;」
桜:「ごめんなさい(笑) それより聞いて!空に見せたい物があるの!」
私はそう言うと空の手をひっぱり、病室のホールに案内した。そこには沢山の患者が集まっていた。
桜:「私の歌で皆を元気付けたいと思って、前から病院側にお願いしてたの」
私は空を座らせてからステージに向かった。
桜:「…はっ…はじめまして。神崎 桜です。…今日は私の好きな歌をうたいます…どうか最後まで聞いてください…。」
パチパチパチ
────────。
私の歌声がホールに鳴り響く。
皆にこの思いが届きますように───。
終了後、患者さんが私に沢山お礼を言ってきてくれた…ありがとう…感動した……と。
空:「桜…今日…素晴らしかったですよ…とても良い思い出になりました…ありがとうございます」
私達は軽く口づけを交すと、お互いの顔を見合わせ、クスッと照れ笑いをした……。