「琴音!じゃねっ」
「バィバ〜ィ」
学校が終わり、琴音はまっすぐ図書館へ向かった。
「え…っと〜…あった?」
琴音はいつも放課後、図書館でオカルト系の本を読んでいるのだ。
「『魔術の全て』かぁ…面白そぅ…?」
立ち読みをしながらフラフラと机の方へ向かった。
ドンッ!!
「……ぃった…」
誰かとぶつかってしまった…。でもメガネが飛んじゃって見えなぃょ…
「すいません…っ大丈夫ですか!?立てますか!?」
ぼゃける視界をよそに、透き通るよぅな声が聞こえた。
「メッ…メガネ…」
「…え?」
「メガネ無いと…何にも見えなぃんです、多分ソコらへんにぁると思うんですケドっ」
コソコソと、手探りでメガネを探す音が聞こえた。
「あっ!コレですか?」
「えっ?えぇっと…掛けてもらぇますか」
カチャッ
そっと『誰か』が、メガネを掛けてくれた瞬間、視界がハッキリと写し出された。
琴音の目の前には、『誰か』が映る。
「大丈夫…ですか?」
男の子…?
その青年は、とても綺麗な顔立ちをしていた。赤茶色の長めの髪。ぱっちりとした瞳。女の子だと思ってしまった。
「………!!!」
ドッ!
琴音は思いっきり青年を突き飛ばした。
「あ…ぁぁ…」
「ててっ…」
呆然とした顔で突っ立ってる琴音だか、顔はリンゴのよぅに真っ赤でぁる。
「あの…?」
「…!!!うっすっ…すっすぃませ…!」
逃げよぅとした琴音だが、ズッコケてしまぅ…
あっ…あたしはどうしてしまったの!?心臓がっ……何!?あの男は何者なの!?突然こんなに…っ死にそう…!
「ぷっ…ははっ…あなた面白いですねっ!大丈夫ですか?二回目ですけど(笑)」
琴音の目に映る彼は、ありえなぃぐらいキラキラと輝ぃている。
「だっ…だだ大丈夫ぢゃぁ!!!!!」
一目散に逃げ出す琴音。図書館の利用者が冷たい目を向けてくるが、気にならない。どうでも良い…。
「恋…しちゃったかも」