2人は喫茶店に寄った。そこでは2人とも黙って紅茶を飲んだだけ…。
大樹が未央奈のマンションまで送り、未央奈が車を降りた。
大「では、また…」
大樹が窓を閉めようとした時、
未「…私の…父さん…事故じゃないけど…病気で…死んだんです…。」
大「えっ?」
一瞬時間が止まった。
未「…肺に…腫瘍があって…でも…お父さん…私達家族には何も言わなかった。お医者さんに聞いても『ただの胃潰瘍だ。すぐ治る』って…。でもどんどん具合が悪くなって死んだ。」
大「………」
未「お父さんが死んだあとお医者さんが本当の事を教えてくれた…。お父さんひどいでしょう?」
未央奈は泣きそうになっていた。
大「そうでしょうか…」
未「えっ!?」
大「未央奈さんのお父さん…心配させたくなかったんじゃないですか?」
未「………」
未央奈の目には限界が見え始めた。それを見た大樹は、車から降り未央奈の側まで行き、いきなり未央奈を抱きしめた。
未「!?あっ五十嵐さん!?あの…///」
未央奈は混乱していた。
大「泣いて…いんですよ。我慢しないで…」
大樹の言葉で未央奈の目から今まで溜まっていた涙が一気に出た。
未「うぇ…うっ…ひっく…」
暗い夜…2人は月に照らされて抱き合った。まるで時間が止まったかの様に…。
(続く)