空:「さっ…くらっ…出しますよ…」
ベットが『ギシッ…ギシ…』と一段と大きな音をたてて揺れる…
ぐぐっ…ぐっ…
桜:「あっ!…あっ!…あぁっ!…空!…そらぁあ!!」
空:「さっ…桜!……くっ!」
ドクッ…ドクッ…
────────。
それからどのくらいだろうか、私は眠りについていた…。
ふと目が覚めると私の横で空が微笑んでいる。
空:「桜、大丈夫ですか?…あの…少々乱暴にしたかもしれません;…桜と繋がっている事が嬉しくて…つぃ…」
桜:「…うぅん…大丈夫…。何か…良く分からないけど、幸せだったのは確かだから」
空:「…はぁ…あと少しの命しかないなんてもったいないです…もっと沢山桜を抱いておけば良かったです(笑)……」
桜:「空………」
こうしている間にも空の命は削られていっているのだろうか…
空:「…桜…本当は僕…死ぬのが怖いんです…死んでしまったら何もかもが終わる…全部失う…なにより桜を失う事が怖いんです!」
私は空に何も言ってあげれなかった…励ましの言葉も、慰めの言葉も見付からない…『大丈夫だよ』だなんて言葉はあまりに無責任すぎる台詞…
空:「すみません…こんな…困りますよね…。…あの…桜、結婚の約束しましたよね?明日にでも御両親に挨拶さしてください…それと、式をあげませんか?…すみません…急がして…」
桜:「えっ?…うん、分かった!…謝らなくていいよ」
空:「…桜?……桜のうたが聞きたい……歌ってくれませんか?…」
私はゆっくりと口を開き、歌い出す…その歌の歌詞は全部英語…『ねぇ空…ラブソングだって気付いてる?』………。
────────。
次の日、私達は両親に結婚の話しをした。そして空の心臓の事も全部話した…
親は始め少し眉を寄せていた…そしてやっと父が口を開いた…
父:「…この子を頼みます…桜はあなたと出会ってから変わった…とても良い目をしている…」
私は、自分の親なのに何だか照れくさい気持ちになった…
────────。
それから季節は廻り、また春が来た……