涼子はしばらくうつろな状態だった。所長がその黒い棒を抜いて、ティッシュを用意した。…涼子の吐息が落ち着くまで、少し時間がかかりそうだ。
所長はパンツを履いてタバコを吸っている。「お茶、熱いのに変えてきましょうか?」
私は首を横に振る。
「あんたは、自分の奥さんともこんなセックスを?」
所長は笑った。
「とんでもない。奥さんほど美人でもないし」
「コイツとのセックスはそんなにいいですか…」
所長は答えにくそうだった。
「怒らないで下さいよ」私は約束した。
「確かに…刺激的だ…いけない事ですから…いつもは清楚な奥さんが、あんまり乱れるもんだから、…私も刺激されて、つい…」
涼子はゆっくり上半身を起こした。呼吸を整えようと胸を押さえて深呼吸した。
「…すみません、所長…」
ソファーに失禁したことを詫びるのも、私への遠慮から小声だった。所長は微笑んだ。
「興奮しすぎた?」
「……」
涼子は返事も、私の顔を見ることもできない。身の置き所がないようだった。
「あなた方ご夫婦が不仲になるのは本意じゃない…ここで仲直りできませんか?」所長は私に聞いてきた。
涼子も私の顔をうかがっている。