数店が集まるスナックコーナー…昼食時をかろうじて越えた時間…落ち着きかけた混雑の中、ミスドの前のテーブルに妹はいた。
サキはドーナツを一つとコーヒーと言うメニューで座っていた。オレも同じように注文して、斜め向かいのテーブルに座った。テーブルが違うので、誰が見ても他人。だが、二人はすぐの距離。
『待ったか?』
『いいえ』
サキは白っぽい袖なしのTシャツにデニムの膝丈のスカート、生脚にサンダルと言う出で立ち…Tシャツは隙間が多く、サキの白い肌が見え隠れする。
『その格好…』
『え?ラフ過ぎた?』『…ほら、そこのオッサン、お前のことチラチラ見てるぞ』
サキはすぐさま背後の壮年男性を睨み付けた。
『会うとやっぱりお兄ちゃんね。ありがと』にやりとこちらを見た。
『今のオジサンの気持ちもわかるよ…お前…すごくいいもん』
『(笑)いいんだ…あんまり見ないでよ…』
『…きれいだね…』
『あ〜照れくさい…』『こっち向いてくれよ』
『やだ…恥ずかしい』サキは赤くなって、うつむき加減で時々オレをチラチラ見てる…
『ジロジロ見ないで…そんな目で…』