ユミは、サキのお持たせの菓子を盆に盛って、お茶の準備にキッチンへ。
「あなた甘いもの食べる?」ユミに返事を返す前に、サキがうむを言わせず、一つ取って、オレの手の平に置いた。それから両手でオレの手をくるんだ。
「はい、食べてね。」柔らかい…。ドキリとするオレの表情を見て、こっそり、「今日は妹だからね」ちょっと意地悪い笑顔…
サキとユミは、また主婦の会話…オレはあまり好きではない甘いお菓子を、ぼそぼそと口にしている。手にはサキの感触が薄く残っていた。
『ユミさん、ゴキゲンだった…奥さん孝行したのね。』
翌日の電車の中、サキ用の携帯にメールが残っていた。ゆうべのものらしい。
『おはよう』
『あら、おはよ』
『ゆうべメールくれたんだね』
『あんまり仲がいいからからかってやろうと思って…』
『そうかな…』
『今日からパートでも探そうと思ってるんだ。』
『働くのか?』
『何かしないとね』
メールの時間はさらに減るだろう…
『メル友も忙しくなりそうだな…』