「あーあ。彼氏に怒られんぞ?」
そう言うなり、小林は私に抵抗の間も与えず、唐突にキスしてきた。
彼の舌は強引に私の唇を割り、中に入ってくる。思わず、声が洩れてしまう。こんなの、と思う。顔を離すと、小林は笑ってる。
「…なんで?」私はやっとのことで呟く。「…ずるいよ」
「ずるいのは、俺の性分でさぁ」
平然とそう言って、私の唇を塞ぐ小林。全く、抗えない。乱暴ではないけれど、強引に責めてくるキス。私は喘ぎ、呼吸しようと顔を上げた途端に、耳と首筋を吸われ、思わず高い声が出てしまう。
…小林の手が、私の浴衣に入ってこようとするので、
「…それは駄目。」
と、言った。
「なんで。」
「だって、付き合ってもないのに、そういうことをするのはおかしい。」
そう言う私に、小林は笑って、
「そういう所があなたらしいね。」
と言い、また手を入れてこようとする。