妹が風呂から上がった。
階段の上がる音の後、ドアが閉まる音も聞こえた。
俺はベッドからおりた。心臓がドキドキしている。
手足の動きがぎこちない。
俺は妹の部屋をノックして、静かに開けた。
「何よ。もう、わたし寝るからね」
妹はパジャマで、ベッドに横になっていた。
電気が点いていたのは、雑誌を読んでいた為だ。
「お兄ちゃん、明日は色々やってもらう事があるから
早くホテルに来てよね。頼りにしてるよ」
俺は無言で、妹のベッドの脇に座った。
妹は起き上がり「どうしたのよ?何か言いたい事でもあるの?」
妹は俺の顔を、覗き込んだ。風呂上りの清潔な香りが漂う。
俺は妹の顔に近づいた。
肉厚なぽてりとした妹の唇。その唇が「あっ」と言った時に、
俺は俺の唇を重ねた。ソフトなキス。
お、お兄ちゃん…と驚いて妹が言ったと同時に、
俺は妹を抱きしめた。強く、強く抱きしめた。