ベッドを前に立ちすくむサキ…
このベッドの枕を今から使うのが誰なのか、ここで今から何をするのか、考えると気後れしているのだろう…
そっと手を添えると、サキの肩は震えていた。
二人は、メル友のまま現実をごまかしていたかった。欲しい相手が、兄妹という現実を…『シャワー…』滑稽だが、そうメールを送った。後は目で会話した。
サキがシャワーを終えてバスローブを身にまとう間、オレはちゃんと背を向けてやった。タイミングを見てオレもシャワーを…
…浴室から出たら、サキはいてくれるだろうか…逃げ出したりしないだろうか…それはそれで仕方ない…
サキはちゃんとベッドに座っていた。布団を腰まで掛け、待っていてくれたが、オレの顔を見ることができないようだ。
できるだけそっと布団に入り、少し照明を暗くしてやった。これなら大丈夫か?と目で問うと、もっと暗くしろと目で返す。それじゃ真っ暗だ…オレが嫌がると、サキは調節レバーを持つオレの指に手を添えて下げた。もう一度上げる。おかしくてたまらず吹き出した二人…