「な、何…?」
おそるおそる、窓から目を下ろす。
ソコには…
『いったぁ。しまった…早く逃げ込まないと誰か来ちゃう』
「!!!あっ!?」
ソコにいたのは、先程の少女だった。制服から、動きやすそうなTシャツにハーフパンツに変わってはいるが、確かにあの子だ。
木から落ちたのか、庭でうずくまっている。
『…って…え!?』
光の声に気付き、少女もゆっくりと顔を上げる。
[さっきの…!!]
二人の声がほぼ同時に重なった。
[………………]
しばらく沈黙が流れ、どちらからともなく笑い出した。
「あは…っはは…っ」
『クスクス…あたし達ってなんか運命の糸で結ばれてんのかなぁ(笑)すっごい偶然』
「はい…っスゴイですよねぇ(笑)あ!こっち来れませんょね?なんかロープでも…」
『あっ大丈夫!』
キシッ…トサトサッ!
少女は木を渡り、見事光の3階の部屋へ上った。
「すっ…ごーい」
『運動だけは自信あるんだぁ♪…?ってあ…!ごっゴメン!』
「なにが?」
少女はかしこまったよぅに話し始めた。
『あ…あたし…昔の知り合いがココにいるって聞いたんだけど会わせてもらえなくて悔しくて…し、侵入しちゃって…本当ごめんなさい…!!』
知り合い…誰だろう。メイドの誰かかな?
「ううん。気にしないで!私でよければ力になるし。あなたの名前は?」
『ありがとう…あたし…あたしは河井ちひろ!あなたは?』
「私は高平光。ところで…ちひろちゃんが探してる人って?」
少女はパァッと笑顔になり、ポケットなら写真を取り出した。
『今朝探してもらった写真見せなかったっけ?ソコに写ってた人なんだけど…ほらっ』
ぺらっ。
「……え……」
ソコに写っていたのは…まぎれもなく、優貴の姿だった。