誰だろ...
その人はぼんやりとした目で腕に抱えた豆柴犬に顔を舐められながら歩いてくる。
なんか面白い光景...笑
こらえてたけど声が洩れた。
香:「フフッ」
男の人がびっくりしてこっちを向く。
香:「すいません...笑」
男:「え...誰...?」
母:「あらぁ、数クン。帰ったの?今日は早かったわね...」
男:「うん...」
と答えながらあたしの方を見る。
母:「あ、お茶...紅茶がきれちゃってて。コーヒーですけど...」
香:「あ、大丈夫ですょ」
母:「お砂糖とミルク、持ってくるわ...。」
香:「すいません...」
パタパタと台所へ行く。
数クンと呼ばれる人と目が合う。
兄弟っぽいし...挨拶しとかなきゃだよね!!!
香:「あ、あの...あたし竹増先輩と付き合ってる梅川 香奈です。」
男:「あ、孝の彼女?俺は孝の兄の数友樹[カズユキ]。」
香:「か、数友樹サンですか。」
数:「数って呼んでいいよ笑。長いでしょ、名前。」
香:「ぢゃあ...数クンで!!!」
数:「母さんの真似?笑」
香:「はい!!!笑」
数:「別にいいけど...笑」
数友樹サンはかなり小泉孝○郎サンに似ている...。
先輩と名前交換すればいいカンジだなぁ...笑
とか考えながら話してたら、先輩が居間に入って来た。
明らかにお風呂上がり。
胸元がSexy...笑
孝:「お、兄貴。早いな...て、香奈!!!早いな...笑」
香:「先輩...」
怒ろうと思ったらお母さんが入って来た。
母:「お砂糖とミルクです。ってあらぁ、孝クン。上がったの???」
孝:「うん。てか部屋行こ。」
香:「う...ぅン...」
先輩がコーヒーとお砂糖とミルクを持って階段を上る。
2人に軽くお辞儀をして先輩の後を追う...
ガチャン。
先輩の部屋は香水の匂いが充満してた。
多分...ヴェルサーチかな???
ブルガリの匂いを思い出して、最近あんまり会わないお兄ちゃんが心をかすめる。
うつむいたあたしに先輩が声をかけた。
孝:「どぅした?」
ハッとして顔を上げたら上半身裸の先輩がベットに座ってる。
さらにハッとして顔を背ける。
香:「先輩-。服着て下さいι」
孝:「あ、ごめん...てか来るの早かったね。」
香:「ちょうど、近くにいましたから...」
孝:「待たせてごめんね」
香:「いや...楽しかったですし。」
そう言った瞬間、先輩の目付きが変わった。