「お前はなかなかイケてると思うけどな。」照れ臭い…でも嬉しい…
「母さんに似て?」
「ああそうだ」
やっぱりね…
「父さんと行くか。」「嫌だよ…恥ずかしい」
「失礼な」
そう言ってすぐに諦めたお父ちゃん…
「父さんももうメソメソしない…お前に励まされてばかりで、悪かったな…」
「お父ちゃん…」
「本当に良くやってくれた…感謝してるよ」「照れ臭いよ」
「…小さい頃から苦労ばかりして…」
お父ちゃんは目を潤ませた。涙もろい…
「やめてよぅ…年寄り臭いよ!」
「あははだって年寄りだ。」
「まだ42でしょ!」
「ありがとな」
私もお父ちゃんには感謝してる。母さんが死んでも一人ぼっちにならなかった…実の子でもないのに…でもそれを言うと、今度は私の方がウルウルしちゃいそうなので、やめた。 「母さんの浴衣、あるんじゃないか?」
「あるかもね」
また着せ替え人形か…最近、仏壇の遺影に恨めしく話しかけることがある。
(母さん…私は母さんの分身じゃないのに)「似合うじゃないか」「そうかな…」
愛想笑いも枯れちゃう…