その晩、雷がひどく鳴って私は怖かった…
私は雷が嫌い。小さい頃から母さんの布団に潜り込んで、お父ちゃんにからかわれた。でも、もう母さんはいない…
お父ちゃんはもう寝息を立ててる…
カッ! やだ!光った ドーン!あ〜ん怖いよう…
布団をかぶってもゴロゴロ聞こえる…
「マホ、マホ」
隣りの部屋からお父ちゃんが来てくれた!
「まだ起きてたのか」私は頭からかぶった布団をはねのけて、何食わぬ顔をして見せた。あ〜、また光った…
ビクって体が動く
お父ちゃんは笑った。「雷…怖いのか?」
「別に…ヒッ」
また光った…ドーン!私…怯えた顔してるよ、きっと…
カカッ!ズ・ズ〜ン
その時、お父ちゃんは私の頭を抱き寄せてくれた…
「だ、大丈夫だよ…」「無理すんな、冷や汗かいてるじゃないか」「そんなこと…ヒッ」ズ〜ン…
「だって母さんは…平気だったし…」
「怖いものは怖いでいいんだよ…ハハ…さぁ、こっちおいで。大丈夫だからね」
お父ちゃんは私の頭を抱え込んで布団の上から抱き締めた…なんか安心…すごく心強い…「可愛いヤツだな…」…怖い…けど、ちょっと嬉しくて…ちょっと恥ずかしい…