花火大会…私はお父ちゃんと行く羽目になった。とは言ってもそれなりに嬉しくて、はしゃいだりもした。
「浴衣姿…似合ってるよ…」
お父ちゃんたら、また懐かしい笑顔…
「母さんと、どっちがいい?」
わざと言ってやった。「同じぐらい、いい」平気な顔して憎たらしい。
お父ちゃんの金魚掬いを見てたら、
「マホ、来てたんだ。」ミクのすっとんきょうな声。隣りには彼氏が……!…リョウちゃん!え…そんな…
私と彼の顔を交互に見てミクは変な顔して聞いた
「知り合いなの?」
私もリョウちゃんも、ミクよりもっと変な顔してるに違いない…
リョウちゃんは私の元彼…私が処女を捧げた人…
三人は今初めて偶然会った…
「マホ、3匹ゲットだ!」
割って入るお父ちゃんの間の抜けたひと言。「こんにちは…」ミクがお父ちゃんに挨拶した。「やあ、こんばんは。彼氏と?」
リョウちゃんはおじぎをしながらお父ちゃんをまじまじと見つめてる。
それは半年前の事…
『マホ、ファザコンなんだよ。』
『リョウちゃんが頼りないだけじゃん!』
『悪かったな!』
ささいな事からお互いを傷つけ合って私達は別れた。