時計は9時過ぎ。お父ちゃんはビールを飲んでる。
「お風呂入るね。」
「…ん、ああ…」
何か変な返事…
「何?どうかした?」「あ、いや…入っといで」
煮え切らないなぁ…
「気になる…何?」
言いにくそう…
「もうちょっと浴衣姿見てたいな…ってことだ。」
照れてる…
「いいよ。上がってからまた着ればいいね?」
この浴衣も母さんとの思い出…か…。複雑…お風呂上りに髪をといてると、お父ちゃんは私をじーっと見てる。「ね、私もちょっとだけ飲ませて」
「だめだよ。未成年のくせして」
「いいじゃん、ちょっとだけ…浴衣姿サービスしてんだから」
「サービス…?」
私はコップ一杯だけもらった。
「『風呂上りは親でも惚れる』って言うんだよ」
「何?それ」
「風呂上りの浴衣で、今日のマホは特にきれいだ。」
「どうせ母さん譲りっていうんでしょ?」
「ん?」
「もう!何かって母さんなんだから…」
「そうか…?」
お父ちゃんは笑ってる。
「いっそのこと母さんの代わりしてあげようか?」
からかうと赤くなった。「ばか…」
お父ちゃんはその後も浴衣姿の私を見て微笑んでいた…
いつの間にか私はウトウトし始めた…