桃子さんと濃厚なキス、乳房の愛撫の関係までいったのは、
つい、一ヶ月前の事――
それから、俺たちは一度も会ってはいない。
受験校に向けて今、かなり忙しい時期なのに、
俺の頭の中は桃子さんばかりが占めて、何も手付かずの状態に
陥っている。
ある日、俺は裏庭へ来いと智也に呼ばれた。
桃子さんとあのような関係になってからの俺は、智也と
まともな会話をしていないでいる。
智也はいつになく深刻な顔をして、先に待っていた。
もしかして、桃子さんとの事がバレたのだろうか…
俺は不安顔で智也に近づく。
「おまえさぁ〜女とヤッたことあるか?」智也はいきなりこう出た。
「いや、本格的にはまだ…」俺は正直に答える。
「オレはあるんだよ」と智也は言う。
そうだろう、智也はそれなりにカッコイイし、スポーツも万能で、
女子に人気があるのは知っている。
「中学2年の時が初…」「へぇー」「相手は母親」と智也は言う。
”うッ”と言葉を飲み込む俺。
「昼寝しているところを、オソワレタというか、教えてくれたというか」
「そ、そうなんだ」
「それは別にいいんだけどよ、問題はオレが他の女に興味がなくなって
しまったということなんだよ」
「えっ、じゃあ、まだ、その…お母さんと続いているのか?」
俺は恐る恐る一番、きになる点を聞いてみた。
「ああ、だいたい毎晩な、おやじ遅ェし」
智也は気だるそうに首を振りながら答えた。
桃子さんと智也が、ほぼ毎晩…ヤッているとは…。
俺は嫉妬で動転し、立っているのがやっとだった。
今すぐにでも飛んで行って、桃子さんを押し倒し、押し倒して…
あの人を開き、俺を打ち込み、快楽の叫びをあげさせたいと、強く感じた。
「オレさぁ〜、このままでいいとは思っちゃいないんだけど穴から出れなくてよう」
もうその世界から足を洗った方がいいよ…と、俺はいかにも智也の為を装って
言った。嫉妬に狂った醜い自分を認めざるを得なかった。