さなの仕事はちょっと長引き、焦って社外へ向かった。
「はぁはぁ・・・ごめんね、遅くなって」
「そんなに息切らすほど急がなくて良かったのに・・・顔が赤くなってるよ可愛いなぁ。」
そう爽やかにいいながら、平井はさなの頬をそっと撫でる。
「えっ!?」
戸惑いを隠せずに更に頬を赤く染めた。
「さっ、じゃあ前から行ってみたいフレンチの店があるんだけど、そこでいいかな?」
何事もなかったように、どんどん歩いていく平井のあとを必死でついていきながら
「うっ、うん。お任せするよ。」
と、さなは答えた。