「ぁん…気持ちいっ…」
欲望のままに彼の上で腰を揺らす。
「はぁっ…ん!ダメ、イっちゃう…!」
「イっていーよ。俺も梨香さんとイきたい」
「ぁっんっ…くっ、んあっ!」彼に何度も奥を突かれて、私はイった。続いて彼が、私の中に欲望を吐き出した。
「梨香さんって意外と激しいよね、えっち」
情事の後に私が下着を身につけていると、彼がベッドの中から私の後ろ姿に向かって言った。
「…慎一君だってそうじゃない」
あながち嘘ではないから否定はできない。
「だって俺、まだぴっちぴちの二十歳だからさ」
「…そうね」
苦笑した顔を見られないように気を遣いながら、薬指に指輪をはめた。
香月梨香。29歳。一般的に言う専業主婦。旦那は40歳で大手企業の社長。これらのどこにも文句の付けどころは何もないように見えるかもしれない。
でも、安定し過ぎた生活なんてすぐに飽きる。私はその生活にちょっとした刺激が欲しくなった。
そう思ったのがきっかけ。
今の慎一君との関係が始まったのは。