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永遠にキミだけ。12

友里  2006-08-07投稿
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ガチャ…

ドアが開く。そこには…


「…優貴…」

ソコには、ベットで寝込むちひろの姿と優貴がいた。

「はぁぁ…」
少しホッとして、大きく息をつく。もしかして、二人のラブシーンを見ていたかも知れないから。


「光…」
「あ…優貴ゴメン急に入って…ちひろちゃんどうしたの?」

優貴は、ソファから立ち上がると、ちひろの指にはめてあるピンクのハートが中心につけられたオモチャの指輪を外した。


「ゴメンなぁー」
「なにが?」
「ちひろの奴が勝手に屋敷に入り込んだりして。」
「…別に良いよ。優貴のせいじゃないし」

ちひろをかばう優貴に、少し嫉妬する。


優貴はフッ、と笑うと、指輪を上にかかげ眺めた。

「ちひろはさぁ…俺の母親が働いてた病院の患者だったんだ」
「か…患者?」

「うん。ウチの母親、看護師でさ。父親が女作って逃げたから一人で俺の事育ててくれてさ。まぁ…すげぇ忙しかったからほとんど帰ってこなくて。俺めっちゃ寂しくてさぁ…いつも見に行ってたんだ。母さんを」

「うん…。」
今はそう頷くしかなかった。

「まぁ母さん俺の事なんて愛してなかったからさ、バレたら怒られるワケょ。だからコッソリ眺めてたらさ…」
「眺めてたら?」

「…ちひろに会った…その時初めて。」

ズキ…
少し胸が痛む。
優貴とちひろちゃんの出会い…。

「ちひろ病気なんだ。小さい頃から病気で、ずっと入院してた。ある日…」






8歳の頃―\r

『はい大丈夫だよー』
泣きわめく子供をあやす母さんをいつも見てた。
本当は悔しくて、悲しくて、泣きそうだった。僕を愛してくれないのに、何故あいつらには優しいの?

『ねぇねぇっ!ちひろと一緒に遊ぼー!』

それがちひろだった。

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