また始まる姉の妨害。
──がちゃ
「裕ちゃん♪」
ノックぐらいしろよ。
姉が来ると俺は一切喋らなくなる。
そうしないと煩い。
「裕ちゃん、また勉強やってんの!?……疲れない?」
「………………」
「今日も無視なの?」
「………………」
当たり前だ。
いつもの事なのに、わざわざ聞くなよ。
そんな事を思っていた。
俺が無視をして何も喋らないと、姉は自分の部屋に帰っていったから。
………いつもなら。
でも、今日の姉は違った。