その日は満月だった。私室で月を見ていた識遠は、背後の気配に身を翻した。「あなたは、昼間の」「せや、わい、御流(ミルン)。あんたがべっぴんすぎてなぁ、忘れられず、訪問したんや」「それは、お世辞でも嬉しいです」「世辞やない!本心や」「ありがとう、ございます」「あんさん本に、月から来たんかもなあ」「え?」人間なら耳のあるところの少し上に、口を近付けて、御流は囁いた「あんさんが狐やゆーこと、わい知っとるで」「!」識遠が行動に移る前に、御流は壁にその細い身体を押しつけた。首筋に手を当てて、少しづつ羽織をずらす。「人を…呼びますよ…」「わいは別に構わへん。恥さらすのはそっちさかいなぁ」「!?」「尻尾、出てるで」「あ……!?」バレるわけにはいかなかった。今の生活を放したくない。「ええ仔やなぁ」言いおわる前に首筋にしゃぶり付く「ん…んぁぁ…」彼女を押さえている手を放し、羽織をずらしていく。処女は首筋の愛撫だけで黙らせられる。「狐わかってても、白い肌も、その喘ぎ声も、薄桃の尻尾も、艶めかしくて色っぽいわぁ」「っ……」羽織の下に、下着はない。愛撫の矛先を首筋から胸に切り替え、舌先で転がす。たったそれだけで、彼女は背を浮かせた。「ええねぇ」左の胸を左手で揉み触り、後方に回り込んだ。今度は右手で左胸を、左手で右胸を揉み、舌は首や耳を舐め回す。「あ…ぁん…あぁっ…あっ…」「おっと、まだイクなや、挿入れてへんのやで」風属性の呪譜で、識遠の腕を縛り、釣り上げる。「な、…にを」「まあ感じろや」そう言うと、識遠の秘部に前から食らい付く。「はぁっ…ぁんっ…」閉じようとする脚を両手で押さえ、舌を、指を秘部に突っ込む。「く…あぁっ!…はぁっ…ぁん」一仕切り舐め終わると呪譜を解き、識遠の口の前に御馳走を差し出す。「………?」瞳を見開いて不思議そうな表情の識遠に御流は声を掛ける。「わからんかなあ?こうするんやで」「!!??」口に放り込まれたモノを、吐き出そうと藻掻く識遠を雷の呪譜で黙らせる。「フェラや。しゃぶるも舐めるもあんさん次第やけど、狐の牙で噛み切るのだけは後免やで」餓えた狐の本能か、小骨をそうするように御馳走をしゃぶり始めた。時には門歯で、時には臼歯で、時には鋭い犬歯で、時にはしなやかな舌で擽る。「お、おいおい、ちょっとこっちがヤバそうや」