翌日。
私はJR天王寺駅の天女の下に一時半に着いた。練習が長引いているのか、まだ真幸の姿はない。
>着いたらメールしてね!!本屋さんでブラブラしとくよ(*^ー’)b
メールを真幸に送り、私は頭上の天女を仰ぎ見た。
「天王寺駅の天女下」というのは、待ち合わせの決まり文句として使われている。理由は金ピカでデカくて吊されてて目立つから、らしい。大阪版・忠犬ハチ公前、とでも想像してもらえると分かりやすい。今も私の他に天女の周りには、携帯をチラチラ見ながらソワソワしている人が何人かいる。その殆どが待ち合わせだが、中には怪しいキャッチやらなんやらがいるらしい。見たことないけど。
とりあえず地下の本屋でブラブラすると決めたので、場所を移動することにした。
雑誌コーナーは時間が時間なのか、立ち読みしている人もまばらだ。雑誌を手にとり、パラパラとめくって、パタと目が止まる。『セックス相性診断』。
…というか私、昨日からセックスという言葉に過剰反応をしてないか…?
そう思いつつもまじまじと見てしまう。ええと…私は二月生まれだから…『普段は冷静なアナタ。でもセックスはかなり情熱的。そんなギャップに刺激され…』なんかそんなタイトルの映画あったなぁ。