なんだったかなぁ…なんだっけ…?
気になってしばらく悩んでいると、鞄から振動が伝わってきた。
>ごめん!(>_<)さっき終わってん!!
>いまどこ??
真幸からだ。やはり練習が長引いたらしい。やっと連絡が来てなんかほっとする。
>地下の本屋ダヨ(*^_^*)早く会いたいなぁo(>ε<)o
そう返信し、携帯の便利さにありがたみを感じつつも、ちっぽけな携帯に一喜一憂させられている私がいるのも感じて、なんだかなぁ、と苦笑した。
恋愛ってそんなものなんだろう。なんだか悟った気分だ。
真幸からメールが来て一安心し、またセックス相性診断の続きを見ようかな、と思い、また雑誌を開く。
ええと真幸の誕生日は…と思いだそうとしていたその時。
「レイ」
低く、聞き覚えのある声が、私の頭上から聞こえた。急いだのだろうか、切れた息で発声したその二文字は、特別セクシーに聞こえる。
反射的に雑誌をパタンっと閉じた私は、見られてなかったか、と急いで…ドキドキしながら振り返った。
黒髪の短髪、少し陽に焼けた肌、目鼻立ちがスッキリした男、辰巳真幸が予想通りそこにいた。
…大学からここ電車で30分かかるよね…?という私の疑問を、真幸は予期したように口を開いた。