「チャリで来たら10分もかからんで。なんやその、ぽか〜んとした顔は」
真幸は苦笑すると少し眉間にシワが寄って…かわいいと思う。…はっ。いやいやそうじゃないって。「じゃ、じゃあ行こうか?ご飯食べた?」
と聞くと、まだだと言うので近くのマクドナルドに寄ることに。
「せやからマックちゃうって。マクド」
「ほっぺたケチャップついてるよ〜」
「今日レギュラー練キツかったわぁ…」
などと、楽しい会話を(真幸曰く)マクドで繰り広げた後、映画を見たり、ゲーセンでUFOキャッチャーに夢中になったり、二人でアイスクリームを食べたり…あっと言う間に楽しい時間が過ぎていった。
そろそろ帰ろうか、というときに、真幸が「チャリで送ったるわ」というので二ケツすることに。山育ちで自転車に一人で乗ったこともあまり無いのに…二ケツ…しかも好きな人と。と思うとちょっと恥ずかしいような、くすぐったいような気がして、私は真幸の背中にギュッとしがみついた。
真幸の背中…熱い。
お互いの体温を感じながら、目を閉じた。
ばしゃばしゃばしゃ…
ザーっ…
チャリで出発して五分経たないうちに、夕立に遭遇した。もう、初デートだからと悩んで着てきた服も台無し。はぁ…ツいてない。