服を整え、がちゃっと開けたドアの向こうには、何故か一糸纏わぬ姿の怜香がいた。
あまりに衝動的光景に、間抜けにもマンガみたいにタオル落としてしまったやんか。
その音に気づいたのか振り返った怜香。その表情は驚愕とも恐怖ともとれる。
その口が悲鳴の形になるかならないうちに、俺は「ごめんっ!!」と言ってドアを閉めた。
薄暗く、外の街灯に照らされた怜香の体は…綺麗だと思った。一瞬なのに、目に焼き付いて離れない。ドキドキが収まらない。さっき鎮めたばかりの下半身に、急激に血が集まるのを感じた。
…だからヤバいんやって。
扉を開けるとハダカの怜香がいる。でも扉を開けたら日常に戻れない気がする。
なけなしの理性と、激しい本能が、俺の中で不毛な戦いを繰り広げていた。
「ま、真幸…」
今まさに俺の理性が負けようとしていたとき、ドア越しに怜香の消え入りそうな声が聞こえた。
「…服、着たから…びっくりさせて、ごめん」
…俺の戦いは一体。
と思ったが、とりあえず何も起こらなそうで安心する俺。
おそるおそる開けると、俺が用意したTシャツとジャージを着用したレイが、ちょこんっと気まずそうに正座をしていた。
正直、女が男物を着るとなんかエロいんやな…。