『ぁ…はぁ…っ』
何処に触れても感じる躰に夢中になっていた。
己が組み敷いている躰は女のものではなく間違い無く男のもの。
幼い頃から知っている筈の声は、初めて聴く熱を孕んだ艶っぽい声音へと変化して、吐息混じりに啼き続ける。
半開きになっている唇を己のそれで塞ぎ、舌を絡め取った。
『ん…んンっ…ふ…』
紅潮した頬を両手で挟み思うがまま口腔をむさぼり解放すれば、互いの唾液が銀糸となって唇と唇を繋ぐ。
弟の様に可愛がっていた。
『ゆ…佑兄ぃ…』
そしていつの間にか、
劣情を抱いていた。