「と、言うと?」
「…なんか母さんほど美しくない…っていうか…」
マザコンに育てたつもりはないのに…
「あの…」
「はい?」
「…また…甘えちゃ…ダメ?」
ダメ!もう…
「ヒロ君は、お母さんと私とどっちが好きなの?」…変な質問。
「…どっちも…大好き」訳分かんなくなって来た…
「今…どこにいるの?」
「部屋のベッドです」ええ?さっき出てったじゃない…家に一人なら考えるって言ったのに、ウソじゃない…
もう少しでそんなことを口走りそうになった。ややこしい…この子は私と知っててメル友を演じている。で、私はそれを知ってて、騙されたフリ。
…部屋に戻ってるの…?
「美咲さんは?」
!びっくりした!家の電話!
「ごめんなさい、電話掛かって来ちゃった。また今度ね」
…助かった!…
電話は主人からだった。仕事のトラブルで今夜遅いとの連絡…
ああ…メル友がそれを知ったら…受話器を置いた。振り替えると裕紀がいた。
「なによ、びっくりするじゃない。」
「ただいま」
「…帰ってたの…」
話を合わせるのも大変…
私は夕方の家事をしながら、メールの相手を始めた。