『少女の素性』
記者達は少女の主治医である『天宮 律子』に質問の嵐をぶつけた。
『胎児の健康状態は?』
『少女の夫は誰なんですか?』
『どうしてこんなに少女の発育が著しいのですか?』『何故彼女だけ特別優遇なんですか?』
一斉に投げ掛けられた質問を、天宮は丁寧に答えた。「胎児の身長は62cmで、体重は3923g。十代前半の母体から産まれたのに大した健康ぶりです。その子の父親は母親と同様中学生ですが、彼女より二つほど年上です。母体である彼女の発育が良いのは、数年前からとある機関が彼女に成人男性と同じ栄養を接種させて、プロのスポーツ選手と同様の生活習慣を強要したからです。彼女は数年前までは平均体型より大幅に小さい体をしていました。それを見兼ねた保健機関が彼女の成長を促すべく、このようなカリキュラムを与えたのです。対象となった7歳当時は身長僅か104cmでしたが、ものの二年もしないうちに140cmを超えました。それから一年程で二次性徴を迎え、生殖可能な体となったのです。彼女の体力はその時点で成人男性と同等となっており、もはや過去の面影はどこにもありませんでした。思春期の急成長で身長は更に伸びて、受精した11歳の時には170cmを超えました。それからもお腹の胎児と共に成長し、現在では184cmになりました。身長だけ出なく、体つきもたった二年で西洋モデル以上のものに成長しました。ここまで来るともう世界で彼女を超える体格の持ち主を探すのは困難に近いでしょうね。組織については伏せておきます。」