『少女の名前』
天宮の返答は続いた。
「ちなみに皆さん、私は嘘をついておりました。彼女はまだ小学生です。ごめんなさい。歳を数か月程ごまかしてしまいました。小学生の出産というと大ニュースになりかねないと思っていましたが、考えてみると現代の法律では大々的公表もできないのではと思って真実を述べました。」
記者達は分娩台の上で出産の疲労によって熟睡している少女をまじまじと見た。全裸で仰向けになっている少女はまるで芸術作品だが、純粋無垢な表情はなるほど小学生だ。少女の強く張り出した大人顔負けの乳房からは未だおびただしい程の黄色い初乳が肌を伝っている。看護師がおもむろに搾乳機を少女の両乳首に取り付けた。初乳は胎児の免疫力を強めるので、飲ませる必要があるからだ。搾乳機を取り付けた途端、母乳の出る勢いが更に増した。
「これが本当に小学生かよ…」
誰ともなく呟いた。天宮は説明を再開した。
「ところで皆さん、彼女のスリーサイズを知りたくありません?」
男性記者一同は生唾を飲んだ。
「本人の許可はとってありますので言いますよ。上から112、68、96です。驚きでしょう?」
記者達は再び少女に視線を戻した。一分もしてないのに250ccの哺乳瓶は彼女の黄色い初乳で埋まってしまった。両側合計で500ccだ。すぐさま新しい哺乳瓶に交換された。ちなみに少女は未だに甘い寝息を立てている。まるで少女と乳房は別の生き物のようだ。
「ところで、どうして皆さんこの娘の名前を知りたがらないのですか?公表しなければお教えしますのに」 記者達ははっとした。今まで彼女の体に目が行き過ぎて肝心の名前を聞いていなかった。 「教えてください!」記者の一人が怒鳴るようにしてせがんだ。沈黙が流れ、その中で天宮だけが口を開いた。天宮の口から出た名前に、一同は驚きを隠せなかった。