私は電話を切って待ち合わせの場所に向かった。
近付くにつれて動悸が早くなってくるのを感じた。
待ち合わせ場所は自宅近くのショッピングセンターの駐車場だった。
着いてから一旦メールをする。
ヒコ『-店の横の白い車-』
そのメールが来たと同時くらいに電話が鳴った。
ナツ『-はい?-』
気の抜けた声で返事する。
ヒコ『-今俺そっち行くから…今どこ?-』
もう電話をしている時点で正面を向けなくなっていた。
ナツ『-ちょうど店の前かな?-』
私が自分の立っているところを言う。
ヒコ『-あ…いた!!こっちこっち-』
私はちょっとだけ目線を上げると細長い男の人がこっちを見て手招きしている。
電話を切られたので私は緊張しながらもヒコの車に近付く。
ヒコは車の運転席のドアを開けて座っていた。
私はどこに行けばいいのか迷ってしまって運転席から2メートル程離れた所に下を見ながら突っ立っていた。
ヒコ『つか…ナツ遠いよ』
ちょっと呆れ気味に言う。
ナツ『だから…人見知り激しいって言ったじゃん?』
などと話をしていて意外にも話しやすくてホッとした。