次の日は、裕紀の尻をたたいて学校にやり、危ない時間を避けた。時々メールが来る。
『早く帰りたい…』
『余計なこと考えないでしっかり勉強なさい』
毅然とした母親…でも、本当は裕紀が欲しい…裕紀との過ちを何度も思い出しては胸を熱くしている。
今日は土曜日、主人も早く帰るはず…
裕紀が帰って来たが、私が買い物に…息子を焦らすように、私は二人きりになるのを避けた。そうこうするうちに主人が帰って来た。「あら、もう飲んでるの?」
「ちょっとだけな。暑くて死にそうだったから」
食事が済んで、主人はくつろいで飲み直している。
「裕紀、お風呂入っちゃいなさいよ」
キッチンで洗い物をしている私の背後に…
「一緒に入りたい」
私は声をひそめた
(ばか!お父さんがいるのよ)
主人はテレビを観ながらウトウトし始めている。
「お父さん、そこで寝ちゃダメよ」
「寝ちゃいない」
ああ、そろそろ寝るな…
私が風呂から上がると主人はすっかりいびきをかいていた。
裕紀がいる…
「あら、今日は部屋にこもらないの?」
裕紀は私の体を見ている…白い木綿のネグリジェ。スケスケでもないしいつもの格好だ。