大きく見開かれた瞳が、すぐそこにある。恥ずかしい…けど私は目を閉じなかった。見えない間に、真幸の表情が曇ることにもう、耐えられなかったんだ。
唇を触れ合わせていると、真幸が舌を入れてきた。えっ?とビックリして目を見ると、そこには躊躇いの色が伺える。
――俺、嫌われてへんねやろか――?
そんな真幸の声が、瞳から、舌から、伝わってくる。そんな姿が、母性本能をくすぐる。私は真幸の舌の先をちろっと舐めた。ぴくんっとカラダを震わせた真幸の、肩から腰に、手を滑らせ軽く抱き締める。お願いだから、どこにも行かないで、そんな顔しないで、という願いを込めながら。
真幸の口の中で舌を這わせる。
くちゅ…くちゃ…ぴゅ…
真幸も私の舌に応えようとするが、まだ先程のようにはいかない。唇をゆっくり離すと、つぅ、と交ざり合った二人の唾液が糸を引いた。