閉じられている唇を舌先で辿れば誘うように薄く開かれる。
そこから舌を滑り込ませ、形の良い歯列をなぞるとピクリと震える彬の躰。
指通りの良い髪に手を差し入れ、ぐいと引き寄せて更に深く口付けた。
「んっ…ふ…」
夢中で舌を絡ませ合って、彬の口腔を貪った。
二人の息遣いと互いの唾液が絡まる淫靡な水音だけが部屋に響く。
躰の位置を入れ替えて彬をベッドに押し付けた。
二人分の重みを受けてギシリと軋むベッド。
重ね合わせた躰で互いの中心が硬く熱を持っているのを感じる。
「彬…」
「ゆ…佑…、あっ」
シャツの裾から彬の脇腹をするりと撫で上げた。
仰け反った首筋に唇を落とし首から鎖骨へと舌を滑らせる。
手は彬の腹部を這い回り、もどかしい感触に彬はピクピクと震えた。
肌触りの良い感触を堪能し、シャツを捲り上げると彬の胸の尖りが現れる。そこは硬く芯を持ち勃ち上がっていた。
片方を指で摘まみ、もう片方を口に含んで舌で転がす様に舐ると一層強く反応する躰。
「ああっ!…や…っ」
元々低い方ではない声が更に高く艶を伴って彬の口から発せられる。
胸の飾りを口で愛撫しながら短パンへ手を掛け、下着ごと一気に引き下げた。
現れた彬自身はそそり立ち、既に期待でしっとりと濡れている。
躰は女の様に柔らかさも無ければ胸の膨らみも無い。
それなのにこんなに煽られる。
全ての衣服を脱がせて彬の全身が露わになる。
色白の肌に程良く筋肉の付いたスレンダーな躰。
とても綺麗だと思った。
暫く見惚れていると彬が顔を背けた。
恥ずかしいのだろう、その顔は真っ赤になっている。
「そんなジロジロ見んな!」
「悪りぃ。綺麗だなと思って…」
「ばっ…!ンな恥ずかしい事言うな!」
更に顔を赤くしたと思ったらバッと上体を起こし、俺のシャツに手を掛けた。
「佑兄も脱げ!」
照れ隠しなのだろうが可愛いとしか言い様がない。
言われなくても脱ぐつもりだったのだが彬の好きな様にさせておいた。
全部脱がされて全裸になる。
もちろん下半身は怒張し、先走りの涙を流していた。
そこに彬が手を伸ばし、根元から先端へと指先をそっと辿らせた。
「…っ」
「スケベ」
まるで悪戯が成功した子供の様な笑顔を浮かべる彬を押し倒す。
「お前こそ…」
人の事を「スケベ」とぬかしたその唇を自分のそれで塞いだ。
「人の事言えないだろ」