暫く動けずにそのままの状態で止まっていた。
きつい締め付けをくらってはいたが徐々に俺の形に馴染みつつある彬の中。
腸壁が蠢く度にゾクリと背筋が粟立った。
「…動くぞ」
「あっ…ダメ…、も…少し…待っ…」
「ダメ、ムリ、待てない」
「そん…な…っ、ぅあっ…ああぁっ!」
ぐい、と腰を押し上げれば、彬は躰を大きくしならせて喘いだ。
始めは小刻に、時には腰を回すように動かし慣らしてゆく。
「ぁ…はぁ…っ」
彬を揺さぶりながら、ふと今朝見た夢を思い出す。
夢と同じ様に彬の唇を塞ぎ、舌を絡めた。
「ん…んンっ…ふ…」
思う様口腔を貪り、唇を離すと銀糸で繋がる。
彬の顎を伝う飲み下しきれなかった唾液を舌で拭い、唇を首筋に落とし、きつく吸い上げて紅い印を残した。
「ゆ…佑兄ぃ…」
予知夢とか非科学的な事は信じない方だが、今回は信じてもいいかもと思った。
しかし同じ様な状況ではあるが、やはり夢と現実とは全く違う。
熱も快感も夢よりも断然快い。
「彬っ、彬…っ」
「ん…っ…佑…もっと…」
彬自ら大きく脚を開き、腰を振る。
理性など欠片も無い。
彬の脚を抱え上げて、更に深く最奥を穿つ。
「あっ…あぁ、ん…ぁ…」
まるで獣の様だと思った。
互いの肌がぶつかる音、ベッドが軋む音、結合部から洩れる淫猥な水音、互いの息遣いと彬の嬌声。
全てが煽情的に聴覚を刺激する。
俺はうわ言の様に彬の名前を呼び、彬は俺の与える快楽に啼き続ける。
「あ…彬…っ…」
「んぁっ…、佑…に…い、あっ…もう…い、イクッ」
限界を訴えた彬自身を握り込み、爆発を無理矢理留めた。
「ああぁっ!やっ…佑っ」
「くっ…、待って…一緒、に…」
一緒にイきたい。
その為に彬の波を塞き止め、自分を追い上げる為に腰を動かした。
快絶を阻まれた彬は涙を散らして啼き叫ぶ。
「いやぁ…!佑にぃ…っ!あぁっ…佑っ、佑樹!佑樹っ!」
「彬っ!あぁ…っ!」
己の限界を感じて彬を解放すると共に、最奥目掛けて自身を穿ち込んだ。
「あああぁ―――ッ!!」
「くっ!あぁ…っ!!」
二人同時に弾け、俺は彬の奥に欲望を吐き出した。
彬の内部がビクビクと収縮し、俺の全てを絞り尽すかの様に蠢く。
出しきった後もお互い荒い息を吐いて繋がったまま暫く抱き合っていた。
と、言うよりも動けなかった。