「彬…、大丈夫か?」
「あまり、大丈夫じゃ、ない…かも…」
「ゴメン」
「明日…学校休みで、良かった…」
まだ呼吸は落ち着かない。
「佑兄…ゴメ…、重い」
「あぁ、悪ぃ」
彬に覆い被さったままの躰を起こし、繋がったままだった彬の中から自身を引き抜いた。
「ぅあ…っ!」
引き抜かれる感触に彬が瞳をを閉じて耐える。
後口から自分が吐き出したものが溢れ出し、それを直視してしまった。
ヤバイ、と思った。
怖いくらいにそそられる。
必死で理性を繋ぎ止めて、それをティッシュで拭ってやる。
「んん…っ」
「んなヤラシイ声出すな」
「だって…」
「俺の理性がブチ切れるだろ」
「いいよ…?」
思わず手が止まる。
………
いかん、いかん。
「バーカ。明日本気で立てなくなるぞ」
「もう既に立てないよ」
「なら余計に悪いわ」
ピシャリと彬の額を叩く。
「ってぇ…。ヒドイ」
初めてな上に、ただでさえ彬に大きな負担を強いる行為なのだ。
抑えろ、俺。
「起きれるか?」
「ん?」
「風呂」
「あぁ。んー…、一人じゃ無理…かな?」
予想通りの返答に苦笑する。
彬に肩を貸して風呂まで連れて行き、一緒に入った。
躰も洗ってやったのだが、当然の事ながらかなりの自制を強いられる。
焦らなくてもいつでも出来る関係になったのだ、と自分に言い聞かせてなんとか抑えた。
汗やらナニやら色んなモノでベトベトになったシーツを洗濯機に放り込む。
おじさんが帰って来るまでに洗濯しなくては。
部屋に戻って先に寝かせておいた彬の隣に入る。
彬と一緒に寝るなんて何年ぶりだろうか。
「佑兄と一緒に寝るのって久し振りだよね」
そう言って彬は俺の方へ擦り寄って来る。
「寝てるのかと思ってた」
「もうかなり眠いけどね」
「じゃあ、もう寝ろ。疲れただろ?」
「うん。佑兄のせいでね」
「悪かったな」
「ゴメン、嘘。…嬉しかったよ」
「…うん」
「おやすみ、佑兄」
「おやすみ」
俺達は幼馴染みから本日、恋人になった。
昨日見た夢は充分過ぎる程に現実になった。
叶わぬ想いだと思っていた彬が腕の中にいる今日は、一体どんな夢を見るのだろうか。
それはまた現実になるのだろうか。
それとも今までのは全部あの夢の続きだったりして…
そんな事を考えながら、愛しい存在を抱き寄せて俺は眠りについた。
――END