これは「夢の続き」のそのまた続きです。
もちろんBL(ボーイズラブ)です。
ご注意下さい。
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「Next Dream」
ピピピ!ピピピ!ピピ…
携帯のアラームの音で目が覚める。
自分の物ではないその音。
今日は休みなのに…。
アラームを切っておくのを忘れていたのだろう。
昨日はそれどころじゃなかったから。
「ん…」
隣に眠る存在が、その音に身動いだ。
―――夢じゃない
一昨日は夢の中で抱いた。
昨日は現実にこの腕で抱いた。
今、あどけない寝顔を晒している恋人は、その表情から想像出来ないほど色っぽく、よがって喘いでねだって…
ピピピ!ピピピ!ピピ…
「うっさい!」
けたたましく鳴り続けていたアラームを荒々しく切る。
人の思考(妄想)を邪魔しやがって。
「う…ん?佑にぃ…おはよ…」
寝惚けているのだろう。
舌足らずな口振りで目覚めの挨拶をする愛しい人。
「おはよう、彬。まだ寝てていいぞ?休みだし」
「ん…寝る…」
余程眠いのだろう。
彬はまたすぐに寝息を立て始めた。
俺に擦り寄るというオプション付きで。
普段、彬は寝起きの良い方なのだが、やはり昨日は無理をさせただろうか。
サラサラと流れる指通りの良い髪を梳いて、気持ち良さげな寝息に誘われる様に俺も目を閉じた。
その日の夕方、彬の親父さんは帰ってきた。
家族が居ては流石に何も出来ないので、早速俺は禁欲生活を余儀なくされた。
*
彬と気持ちが通じて約一週間が経った。
その間俺はなるべく彬に触れないようにしていた。
触れると欲しくなるから。
かなり辛い。
そして今日は彬とおじさんがウチに夕飯を食べに来ていた。
和気藹々と交される会話の中、チラチラと交わる視線。
彬とそういう関係になる前は抑えれていたのに。
我慢出来なくなりそうだ。
「ごちそうさまでした」
宿題があるから、と俺は席を立つ。
ダイニングを出る前に振り返り、
「彬。後で俺の部屋来て」
そう言って二階にある自室へ向かった。
一応机に向かってみるが、やる気など全く起きない。
暫くすると階段を上がってくる足音が聞こえた。
机から離れ、扉の前に立つ。
――コンコンッ
控え目なノックの後に彬の声。
「佑兄?開けるよ?」
扉が開き、彬の姿が見えた瞬間、ぐい、とやや強引にその腕を捕えて部屋の中に引き込んだ。