何時もと違う彼の態度…結婚する前、彼はこんな態度は取らなかった。手を繋いで歩いた事はなかったけど、車の中やラブホに行った時、部屋の中で手を繋いでくれた。泊まりに行った時、ベッドの中で手を繋いで一緒に眠った事も何回もあった。
「深夜番組って、あまり面白くないね…似たり寄ったりの番組ばかりだね」
「そうね」
彼は私の指に指を絡めて手を優しく繋いでいる。
「風呂の様子見てくるよ」
彼は私の頬に軽くキスをしてバスルームに行ってしまった。直ぐに戻ってきて微笑みながら言う。
「出来たよ。ジャグジーになるみたいだから入ろう」
彼に言われて服を脱ぎ始める…彼は私よりも脱ぐのが早くて、私が服を脱ぐのを手伝い始めた。全裸になってバスルームに行く…バスルームは綺麗な青いタイルに覆われていて、バスタブはタイルと同じ青色だった。広いバスルームで、大人二人が楽に入れるバスタブになっている。
シャワーで軽く浴びてバスタブへ…バスタブのお湯は半分位しか入ってなかった。その理由は直ぐに判った。彼はバスタブの横の壁のパネルを押すと、バスタブがジャグジー風呂に早変わりになった。ブクブクと泡が立ち始めてくる。泡風呂にする為にお湯を少なく張ったのが理解出来た。
「家に欲しいね、コレ」
「そうね…気持ちいい、泡風呂」
「そうだね、家を建てる時に風呂はジャグジーが出来る様にしよう」
「建てる予定あるの?」
「マダマダだよ。建てる時には、そうしたいね」
向かい合わせで泡風呂に入ってバスタイムを楽しむ。暫く泡風呂に入っていた彼はバスタブから出て身体を洗い始めた。
「純子さん、背中流してくれる?」
彼の催促で泡風呂から出て、背中を流す為に彼からスポンジを受け取り背中を洗い始めた。こんな風に一緒に彼とお風呂に入るのって、凄く久し振りすぎる。部屋のお風呂は結構狭いから、彼と一緒に入るのって無かった。でも、拓哉君とは一緒に入るのが多いけど…。嬉しい…違う意味で。新鮮な気持ちになった気がした。