「いいよ。楽譜なら俺の家にあるから。」
にこっと微笑んで後藤の手をとります。
「ごめんね〜今日は車じゃないんだ。JRで一緒に行こう。」
「は・・一緒に歩くの?」
引きずられるような速さに驚きながら後藤が聞きますが
「俺は貴ちゃんを連れ歩きたかったから、夢が叶ったみたいでうれしいな〜。」
すたすた、かなりの早さです。
「ちょっと・待って!裕也さん!!」
ばた。と立ち止まります。急すぎて背中にぶつかります。
「・・いたあ・・。」
「貴ちゃん?ごめん、だいじょうぶ?顔見せてごらん。」
「・・子供じゃあるまいし・・だいじょうぶです・・。」
鼻をおさえています。
「ほら!見せろって。」
強引に顔を覗き込みます。
「な・・なに????」
「・・あーあ。痛かった?ごめんね。おわびにお茶でもしますか?」
「いいです。早くレッスンを・・。」
顔が近すぎて困ります。
「お茶がいやならこっちかな?」
ちゅっ。と音がしました。
唇が温かく感じました。
裕也さんの髪が頬にかかりました。
「・・・?????」
だんだん頬が熱くなります。
「・・かーわいい。初めてだった?」
まだ学校の近くです、同級生も見ています。みんな固まっていますよ!!!
「可愛いなあ貴ちゃん。もう1回いい・・?」
また唇がよってきました。
すっと避けますが
ひょいっと頬をつかまれました。
・・・今度は長いキスです。
息がかかります、歯と歯の隙間から・・・・厚いぬめっとしたものが入り込んできて後藤を試します。
「・・っふあ?」
くちゅっ・・。
唾液がもれます。
「・・・うん。」
裕也さんは離してくれません。
ここは街中です。
いくらなんでも・・・興奮させすぎです。