私と崇の間に挟まれて、圧倒的に不利な状況にも関わらず、先生の表情は涼しかった。
私は、先生の白衣をオカズにオナった男子たちの気分がわからなくもなかった。
先生は綺麗で。
きっと、私たちなんて相手にもしていなくて。
たぶん、どんなに近づいても手に入れられないとこにいるんだ。
無理矢理、奪わなければ。
清廉潔白で、汚れない感じが、腹立って、羨ましくて切なくなる。
私は女の人にそそられたのは初めてだった。
自分の中の「S」なモノが沸き上がってくるのも初めてだった。
先生を泣かせたい。
先生の理性を破壊したい。切実に思う。
崇の膨張したソレより、ずっと強く、私のほうが先生を欲しがっていた。
「崇、先生を抑えていて」「OK♪」
私は、準備室を開けて、先生を固定できる紐を探す。ちょうど、教材を束ねていたビニールの紐を見付けて解く。
「いい加減にしなさい」
先生らしい威厳ある声も、私にはなんの効果もなかった。
「先生こそ、ね」
力じゃなく、権力で抵抗しようとするところが、先生らしいなぁ、と思った。
崇が、先生の手を捻る。
「先生、かわいそう。美人なばっかりに」