見てしまった人たちは<街で堂々とキスするバカップル>と思っていて欲しい。
後藤の願いは届きますでしょうか?
後藤は女の子みたいな容姿ですが、制服はしっかり男子もの。
顔はキスしてるからほとんど見えないし。
<まさか・・ねえ?><男同士じゃないよねえ?>
街行くひとは少し頬が染まります。
「・・はあ。」
ようやく離された唇からはきらめく糸が・・・。裕也さんと繋がる銀の糸。
「ん!!」
慌ててこのつながりを指で断ち切ります。
「・・かーわいいな。」
ふふぅと笑うと裕也さんは後藤と手を繋いで、JRの駅に向います。
「裕也さん。」
「なあに?」
「・・JRの中では普通にしててよ・・。さっきみたいなの無しだよ?」
「2回もしたから平気じゃないの?貴ちゃんがそう言うなら我慢しますか。」
するつもりだったんだ〜〜?
「俺は裕也さんにピアノをおしえてもらうんですよ?エッチじゃないですよ??」
小さな声で念をおします。
「わかってますよ?」
「・・うそ。」
早く上達したくて、個人レッスンでピアノを習えるところを探していた後藤は、ネットで大学生のピアノを趣味とする裕也さんを知りました。
インディーズでバンド活動もしている裕也さんならすぐに技術を教えてくれるだろうと思い、お願いしてみたら「今は暇だからいいですよ。」
と即返事。
裕也さんのピアノレッスンは翌日から開始になりました。
会ってすぐに手を握られ。
レッスン始めたらおへそを触られ。
怒ったらキスされそうになりました。
セクハラだ。と逃げようとしましたが裕也さんのかっこいい容姿とピアノの技術に負けそう・・。
「貴ちゃんはベートーベンに向いてる。弾いてみてよ。」
渡されたのは「月光」の楽譜。
「・・くらい気持ちになりそう。」
「じゃあリチャードクレイダーマンにしてみる?恋を知らないと弾けないぞ?」
「恋なら知っていますよ。」
ばかにするな、と睨みましたが。
「じゃあセックスしたことある?何回?何人?男もあり?」