セックスの回数なんて、同性の経験なんて!
「・・そんなに一度に聞かないでくださいよ!」
動揺を隠せません。
「ふうん?その動揺ふりからしてな〜んにも知らないんだ?おしえたいなあ・・。」
「裕也さんに教えてもらうのはピアノです。」
切り替えします。
「つまんないな・意外に頭がかたいのかな?」
髪の毛をふわあんと触られました。「っひゃあ!」
「・・その気になったら言ってね?いつでもお相手しますよ。」
・・その日のレッスンはこれで終りました。
リチャードクレイダーマン、弾けるのでしょうか。かなりドラマチックな曲ですよ。
楽譜だけ渡して終るなんて、腑に落ちませんが・・。
「裕也さん弾いてみてください。聞きたいです。」
「いいよ。じゃあ、膝の上に座ってくれる?」
ピアノの前でにこにこ笑っています。
「・・は?」
「俺の膝の上に座ったら弾いて聞かせてあげるよ。」
変態かもしれませんね・・。
「来週でいいです。」
「あ。来週ならいいんだ?あーら。」
そして今日、迎えに来られてしまったのです!!
「で、弾いてみた?少しは。」
「・・気持ちがつかめない。どうしてこの速さで弾くのか。跳ねるようなリズムが理解できない。」
「だーかーら。恋を知らないとそうなんだよね。」
「??知っていたら弾けますか。」
「そりゃあ、情感がこもるからさ。子供が弾くのと大人が弾くのじゃそこが違うんだよ。感情こめて弾いてみなよ。技術じゃないよ。趣味なら尚更。」
JRの車内ではまともなことを言います。
さっきまではふざけていただけなのかもしれませんね。
「そうか・・。」
「だから今日から貴ちゃんの演奏は変わる。」
「は?」
「たーのしみ。ね?先週約束したもんね。」
え?
「今日は泊まれるでしょう。御飯も食べさせてあげるよ。初めてなんだもんね・・。」
「そんなこと言わないでよ・・。帰りたい。」
「帰しませんよ、そのきれいな体では。大丈夫だよ、俺は男もいけるから。」
「・・なんて?」
「貴ちゃんに興奮してやさしく出来なかったらごめんね?俺はもうかなりキテルからさあ・・。」
優しい声だけど。今日もレッスンじゃないの??
「かえる・・。」
「ここで犯しちゃうよ?満員電車だからわかんないよ・・ここでもいいの?」
そっと腰を触られます。
きゅっと体を硬くします。