『高本くんっ』
「ん?あ、大河内おはょ」
俺は朝の登校時、彩に声をかけられた。彩はたかたかと駆けて来る。
『はぁ…っおはょぅっ。あのね…私の事、彩って呼んで欲しいんだ』
「え゛え?」
呼びすてにして☆って事かぁ。大河内は、俺が思っている以上に積極的だったのだ。
「あー…あ、や」
『…ねっ、もいっかい言ってみてっ』
…あ。意外と大河内は可愛い。いや、カナリ可愛いんだけど、今まで意識した事なかったからな…
「コホンッ。あや。彩」
俺がそう言うと、彼女は嬉しそうにフフッと笑った。
『ありがと祐也っ』
俺もカァァっと赤くなってしまった。少女マンガみたぃだな〜と思ったからだ。
彩は、俺の手を握って、学校へ導いた。
『祐也の家に行きたい』
「…えっ!?ダメ?!」
『行きたい!行きたいったら行きたいの!祐也の家で遊ぶっ』
「お、おい彩ぁ!」
『だめ…?』
彩は、涙目で首を傾げながらこちらを見ている。チワワかょ…(汗)
「じゃあ…明日!なら…」
『明日!?わかったぁ♪明日っ放課後ね!約束っ』
そう言って彩は、小指で、ムリヤリ指切りげんまんをさした。
「彩は、強引だなぁ…疲れる…(泣)」
もっと可憐で、清楚で、天使のような子かと思ってた。少なくとも見た目は。
現実は、我が儘で、強引で、小悪魔だ。人は見かけによらんな。
改めてわかったょ。
ところでルイは、あの日からおかしくなってしまった。
「ルイ〜洗濯物干しといてくんなぃ?」そう言うと、いつもなら…
《はぁッ!?ふざけんな!自分でしろ!テメェのパンツなんか触ってたまるか(怒)》
…だったのに、
「…ふぇ…?ああ…洗濯物…わかった〜」
そう言って、黙々と干しだすのだ。
もしくは、俺の顔を見た途端、
「やーーーーーー!」
そう言って逃げてしまう。俺が、なにをしたと…?