そう。その日もルイはおかしかった。
「ルイ〜おかわり」
夜食の時間、食べ終わった茶碗を、炊飯ジャーにいちばん近いルイに差し出した。
「…うん」
ルイはボ〜っとしながら茶碗を受け取り、米飯をモリモリ盛った。
入れすぎにも程がある…
どうしたもんか…。
そして風呂にも入り、リビングで俺はテレビを見ていた。
すると、トコトコとルイはやってきて、
「あたし…寝るね。………おやすみ…」
それだけ言うと、フラフラ歩き出した。
「?あ!ちょい待ち!ルイ!おいってば」
「な…に?」
「明日、彼女家に連れて来っから。菓子でも作っといてよ!」
そう言うと、ルイはピシッと固まって、口をポカンと開けた。
「……るか」
「は?」
「作ってなんかやるかバカ男ーっ!!!」
そう叫び、ドンドン音を響かせながら階段をスゴイ勢いで上った。
「お…おお。久しぶりの叫びが…」
母『ちょっと祐也ぁ。ルイ最近大人しかったのに何してんのよ』
次の日―\r
朝は、相変わらずルイは変だった。親は、大人しくてなって嬉しいみたいだが、実を言うと俺は少し心配だった。
(あまりにも大人しすぎると落ち着かんな…)
『祐也〜っ♪おッはッよ〜ぅ』
「お…お。おはよ」
彩がギュッと抱き付いてくる。人が見てるのになぁ…(汗)
「ちょ…大河内」
彩は、人差し指を俺の唇に当てた。
『あ・や。大河内じゃなくって、あ・や。彩だよ!』
そうニコっ♪と笑うと、人差し指を俺の唇から離し自分の唇につけた。
『…間接キス♪』
上目遣いで彩はこちらを見上げてきた。
「な…」不覚にも赤くなってしまい、俺は後ろを向いた。
『祐也…?』
「…あや…」振り替える。すると…
ちゅっ
「!!!!!!!」
唇が重なる。柔らかな、弾力のある感触が、全身に伝わる。
『ン…』彩は唇を重ねたまま、俺の背中に腕を回し、抱き付いた。