ユウヤとは昔は親友のように仲がよかった。お互いに喧嘩もあったがすぐ仲直りできた。ユウヤは優しくて、気が強くて、友達思いだった。でも今目の前にいるのはいつものユウヤではなく、男としてのユウヤだった。それが怖くて、悲しくて、涙がこぼれた。
ユウヤはハッと、我に返ったかのように手をとめて、ブラウスのボタンをとめた。
「ゴメン…………」
あたしはずっと泣いたままだったけど、そんなあたしの頭をユウヤはやさしくなでた。ユウヤのせいで泣いてるのに、ユウヤがなぐさめる。なんとなく、ほっとした。
その日は何も喋らずに、ただ手をつないで帰った。