『ん…んん』
これは…ヤバいっ!
「ちょ…ぉ大河内…ん゛っ」
離そうとする俺の唇に、彩は離さないようしゃぶりついた。
「ん゛ーん゛ーん゛っ」
ザワザワ…[やだぁ…何あれー朝っぱらから]
[うゎっやるねぇ]
[あれ大河内ぢゃん!男は誰!?]
周りがうるさい…これじゃドキドキもしていられん。
「ん゛ん゛…っ大河内!」
いたしかたなく、彩を思い切り突き飛ばした。
『きゃ…っ』
「あ、ぁ゛…ゴメン」
尻餅をついてしまった彩に、手を差し延べた。
『…彩だってば!』
「は」
『もぅっ何度言ったらわかるの??彩だょ!あ・や♪』
「!…」
彩は、俺の手を使わずにスクッと立ち上がると、軽くキスをした。
「あ…ハィ」
『わかったならよろしい☆じゃ、行こっ』
彩は、俺の手を強引に引っ張った。
――――――――――――
『お前、大河内彩と付き合ってるって本当か!?』
「……だから何」
これで9回目だ。今朝のキスで、噂は瞬く間に広まったのだ。俺は聞かれすぎてイラついていた。
『オォッ怖!てかお前何ぬけがけしてんだょ』
「あっちから告って来たんだよ。俺は別に好きじゃ…」
『ゆーやぁ』
タイミング悪い…
「彩…なに?」
『放課後だから迎えに来たの。今日は祐也の家に行く約束でしょ』
―そうだった…―\r
すっかり忘れてたなぁ…ルイもう帰ったかな?なんて考えていると、あっという間に家についた。
『ほぁっ。祐也のお家おっきいんだぁ。』
「や…普通だよ」
チャイムを押し、玄関ドアを開くと、甘ったるいチョコの香りが充満していた。
『な…何この匂いっ』
「わ…悪いっ多分…」
ルイだ…